2002.4.14放送

作曲家・神山純一さんの究極の癒し音楽


星座の音楽でお馴染の神山さんにはじめて番組に登場していただいたのは、もう9年も前のこと(1993年)。10周年記念CD『ザ・フリントストーン・ミュージック・アルバム』にも、『蠍座』で参加していただいてます。(何故、「蠍座」かというとエイミーの誕生星座だから、という単純な理由なんですが・・・)はじめは星座の形を五線譜に写し取って音楽を作るというお話をうかがい、多いに興味をそそられ、それ以来、ことあるごとに出演していただいています。八ケ岳にある神山さんのアトリエに押しかけて(?)無理やり『蠍座』をナマ演奏してもらったという、厚かましい経験もあるザ・フリントストーンと神山純一さんの長〜いおつきあい。その間にも星座、海流、水、氷、オーロラ等々、たくさんの音楽をお作りになってます。番組では、そのあたりの想い出話から入っていきました。

神山純一さん「八ケ岳のアトリエでは素晴らしい夜空が見られるです。それで、星座の音楽を作りはじめて、88星座のうち77星座まで作ってCDにしたりもしましたし、水の音楽は森の家を造ってから、森の中の水の湧いている場所の水滴の音が、あまりにもきれいなんで、それを集めて演奏し

てみようと思って作ったし。森の中にいると自分自身のコンディションがよくなるので、いろいろな作品を八ケ岳の森で作りましたね。」

そんな自然の音楽ですが、携帯電話の普及に伴って、神山さんは最近、iモードの着メロの音楽にも進出してますよね。

「そうなんですよ。着メロでも、安らぎとか、癒しというのがキーワードになってる時代で、『究極の癒しアート』という携帯の待ち受け画面が始まったんです。で、そこの音楽をやってるんです。」

その中にも『蠍座』はあるんですか?
「えぇ。『究極の癒しアート』の中には“心が癒される”とか“気持ちがリフレッシュする”という音楽とともに、皆さんの生まれ月の音楽が聴けたらいいなということで、『蠍座』もあるし『牡羊座』他、それぞれの生まれ月の音楽が着メロになっているんです。」

じゃぁ、ちょっとここで着メロ盤の『蠍座』を聴いてみましょうか。
(番組ではここで着メロ盤の『蠍座』を40秒ほど聴いています)
いいですねぇ。でもこれが流れてきたら電話に出ないでずっと聴いちゃいそうな。

「まぁ、こんな感じで、自分の生まれ月の音楽が着メロになったら素敵だろうなということで作ってるんですけどね。」

この星座の音楽は今77種類まであるわけなんですが、4月11日にはシンフォレスト社から『全天88星座』というCD-ROMが発売されました。
「そう、これは写真家の八板康麿さんがとられた素晴らしい夜空のきれいな写真があるのね。88の星座すべてが、ある秒数で変わっていくんです。前のお話のやつは星座の形を音譜に変えたものなんですが、このシンフォレストのCD-ROMは何しろ40分間で全天の星座が出てくるもんですから、星の形じゃなくて、夜空によくあった音楽ということで作ったんです。」

じゃぁ、もちろん、新作も。
「えぇ。いくつもいくつも増やしました。」

(番組ではこの後『全天88星座』の中から「BREEZE」という曲をオンエアしました。)
今聴いた「BREEZE」ですが、本当に暖かくて柔らかくて、なんか雄大な夜空、頬をなでる風という感じですね。

「そう。そういうイメージで作ったんですよ。八ケ岳も今年は春が早いんです。もうしばらくすると、きれいな夜空を見上げたときに、頬に優しい風が当たるんですけど、そういう気持ちで書いた曲なんですね。」

1年ほど前に神山さんには、『宙のファンタジー』、『十勝野』、『沖縄』といったDVD作品のことをうかがいましたが。
「はい。去年はね、安曇野をテーマにしたDVDを1枚作りました。」

安曇野はどうでしたか?

「僕のアトリエのある茅野市から、安曇野はそう遠くないんです。だから知らない場所ではなかったんだけれど、今度あちらこちら車で行って見たんですが、本当にきれいなんです。川がきれい!広い川がゆったりと流れていたり、そんなに広くはない川がサラサラと流れているきれいなせせらぎがあったり、水が印象的な場所でしたね。」

水に魅せられているようですね。水の音楽もありますし。
「そうですね。水滴で作った音楽も今、色々と使っていただいてるんですけど、水の音っていうのが、本来人間が持っている命と、呼応するというか呼び合うというか、とてもすがすがしくて、心に優しい音色なんだと思うんです。最近は飲み水にはこだわるけど、音からも、きれいな音を聞きたいという要求があるような気がします。水全体が生命に潤いを与える力があるんだなという気がします。」

実はこの『安曇野』の次に、『白神』がもう・・・。
「えぇ。DVDでは一回十勝を旅しましたけど、途中で白神山地を通り越しちゃったことスタッフが思い出してね。あれは世界遺産でしょ。素晴らしい風景だし、是非そこを映像と音楽にしようということになって、今白神山地をみんなでプランして、そろそろ動こうかというところです。実は一度下見に行ったんですが、冬は大変。厳しいし寒いし、雪だし。もうそろそろ雪がとければ自由に歩き回れるし、ロケハンを一度ちゃんとして、夏あたりにちょっと長く行って音楽が書けたらいいなと思ってるんですね。映像的にもブナの木なんかすごく迫力があるんです。それがどんな音楽になっていくか、自分でも興味があるんですけど。」

(番組ではここで『安曇野』から『まどろみの中で』という曲を聴いています。)
最後に神山さんからお話をうかがったのがちょうど1年前ということで、その間にも色々音楽活動されてますよね。

「去年の夏に福島県で“うつくしま未来博”という万博の様な催しがあったんです。その会場で3ヶ月間流れる音楽を依頼されて、福島を歩き回って、あちこちの情景を音楽に変えて作ったりしましたね。」

この9年間、色々お話をうかがっていると、神山さんは旅を通して、その地方の人との触れ合いなどもあり、場所場所でインスパイアされた音楽を作られるように変わってきたように思いますが。
「テレビの企画などで、連れていっていただいてそこで音楽を作ってみると、すごく楽に書けるんです。その場所によって景色が違うでしょ?わぁ、きれいだと思うじゃないですか。それを僕は作曲家だから楽譜に変えることはそんなに難しいことじゃない。きれいだなと思って景色を見ていると何か音楽が湧いてくるからそれを五線に書いてみるんです。すると、当然そこの場所にすごくあった音楽が出来る。そうして知らず知らずのうちにたまっていった音楽をあとから聴いてみると、それぞれそこの空気観が音楽に表れてるんですね。」

福島はどうだったんですか?
「裏磐梯に行ったり、喜多方や会津に行ったりしましたけど、冬の猪苗代が印象的でした。白鳥がすごくたくさん来ていて雪の中で群れになって鳴いている。それが胸に染みるような切ない声に僕は聞こえてしまったんだけど、やっぱり、全体を見ると自然に恵まれたところですね。福島はキャッチフレーズが“森に沈む都市”だったかな。本当に森があって、その中に都市があって、豊かな自然がどこに行ってもあって、裏磐梯の紅葉なんか、絶句しちゃいましたよ。高いところから見るんだけど五色沼に映えてきれいでしたよ。」

じゃぁ、曲を書くということからいえば、ネタに困らない?
「本当にね、なんの苦労もなくメロディは出来ますよね。やはり音楽というのはそこの空気観を楽器に換えて聴いてみるというようなところがあると思うんで、その場にいて自分がその空気を吸い込んで、そこの自然の響きを聴いているとね、それを音楽に変えるのはずいぶんやさしくなると思いますけどね。」

(番組ではここで『うつくしま未来博』から『うつくしまのテーマ』を聴いています。)
あの、最初にも話をうかがいましたけど着メロの音楽も作ってらっしゃるということですが、どれぐらい手がけてらっしゃるんですか?

「さっきお話した『究極の癒しアート』にはオリジナル曲を30曲出してます。いろいろなコーナーがあって、星座はもちろんですが、“心を癒す音楽”“気持ちがリフレッシュ”“頭がさえる”などがあるんです。これは心理学者の富田隆先生とお医者様の海原純子先生に監修していただいて、医学的にも心理学的にも裏付けがある音楽なんですね。それに映像がきれいなんですよ。楽園の三好和義さんとか、月光浴の石川賢治さんの写真が一緒に待ち受け画面からダウンロードできるようになっていて、それと僕の音楽を合わせて聴いていただけるようになっているので、心がゆったりする・・・。」

ホントに着メロというより、聴き入っていたいという音楽なんですが、ここでちょっと一つ聴いてみましょう。
(番組では着メロの中から“PEACE OF HEART”という作品を40秒ほど聴いています。)

「これは富田先生によると、心理学的に音の並び方で心が癒されるということなんですけど。」

これからもこうした音楽はどんどん作っていって下さるんですか?
「そうですね。着メロの方はどんどん増やしていこうという方針です。今、季節ごとの色、その月ごとの色があるんですって。だから毎月音楽でそれを増やしていこうと。」

じゃぁ、星座に次いで、自分のバースデー・カラーも。これは楽しみですが、それ以外には白神山地というものがありますが、そのほかの予定というと?
「今実は八ケ岳のアトリエを改築してるんです。今度はグランド・ピアノを入れようと思ってるんですが、強度の面で問題があるかもしれないんですよね。あれは非常に重いものなので、家の中は大丈夫としても、ベランダというかポーチを通らないとピアノが入らないので。」

それじゃぁ、ピアノが入った暁にはまた押し掛けさせていただこうと思います。
「そうですね、ピアノが入れば。是非秋ごろ、素晴らしい星空を見にいらして下さい。」

というわけで、皆さんもピアノが無事入ることを祈っていて下さい。そうすれば秋には神山さんのアトリエから、素敵な演奏をお届けできるかもしれません。

神山純一さんの作品紹介
(書籍・CD・DVD等のリンクをクリックすると、インターネット・ショッピングのページにジャンプします。)
NTTドコモの『究極の癒しアート』
神山純一さんが音楽を担当しているNTTドコモの『究極の癒しアート』は、iモードのメニュー・リストから8の待ち受け画面、2のアート、究極の癒しアートといって「癒しの着メロ」で聴けます。およそ30曲あって、1ヶ月300円で利用できます。
CD-ROM作品『全天88星座
「シンフォレスト社」から絶賛発売中です。
DVD作品『安曇野』(最新作)『宙のファンタジー』『十勝野』『Ocean Breeze』
「パイオニア」から絶賛発売中です。
いずれも美しい写真と、神山さんのゆったりとした音楽のコラボレーションが楽しめます。
神山純一さんの公式ホーム・ページ:http://www.supercompany.co.jp
最新情報や作品紹介ほか、CDやDVDも購入できます。ぜひ、覗いてみて下さい。

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