2005年10月16日

小若順一さんに聞く、生活に潜む“危険”

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは小若順一さんです。
小若順一さん

 私たちが普段、何気なく口にしている食品や、よく使っている生活必需品の中にも、実はたくさんの“危険”が潜んでいます。今回は、「食品と暮らしの安全基金」の代表、小若順一さんをお迎えし、話題の新刊「新・食べるな、危険!」と「使うな、危険!」に沿って、私たちの生活を見直していきます。

牛肉や鳥肉は大丈夫?

●まず最初に、「食品と暮らしの安全基金」というのはどういった団体なのかを教えていただけますか?

「21年前に発足した市民団体でして、当時は日本子孫基金という名前だったんです。子孫に遺伝病を増やしてしまうような科学物質を、市民で検査をして減らしていこうということで、市民から会費をいただいて基金を作って検査してというふうに始めたんです。遺伝学者をトップに担いでやっていたんですけど、わずか2年で『いやぁ、小若君。遺伝毒性の時代は終わった』って言われまして(笑)、色々なことをやってきたんですけど、スタートの頃から『検査しよう』というのはあったので、自前で検査をしながら色々やってきたんです。で、今は『食品と暮らしの安全』という月刊誌を出していまして、15年以上経っているんですけど、その月刊誌の購読費を1万円いただいていて、それが検査費用と月刊誌の購読費になって、ずっと情報を出してきたわけです。で、その検査をして情報を出してきたというのを全部まとめて2冊の本にして出したのが、今回の『新・食べるな、危険!』と『使うな、危険!』なんです。だから、オリジナルな話がたくさんありまして、わりかし知られていないことが多い本ですね」

新・食べるな、危険!

●みなさんにはおなじみの本だと思うのですが、『新・食べるな、危険!』と『使うな、危険!』という2冊。見ただけで毎日口にしているものが不安になるようなタイトルなんですけど(笑)、まずは、『新・食べるな、危険!』についてお話をうかがっていきたいと思います。私たちが口にしている食品に危険なものは多いですか?

「いや、そんなに多くないんじゃないでしょうかね(笑)。中には危険なものがあるというふうに考えていただいたほうが正しいと思います」

●この本でいう危険なものっていうのは、どういうものなんですか?

「見えないけども、リスクが潜んでいるというのが『新・食べるな、危険!』の中身です」

●例えば、牛肉問題はどうでしょう?

「2001年のBSEが発生して以来、日本で大きな話題になりましたけども、実は人へのリスクはよく分かっているわけですよ。イギリスでは1986年にBSEが発生して、危険部位も含めて食べてきたわけですね。だから、人体実験を長いことたくさんやりまして、人間にどのくらい移るかというデータも実はあるので、これが一番危ないんですけど、一番リスクがよく分かっていて、対策方法も分かっているというものなんですね。
 ただ、アメリカから輸入するにあたって、アメリカで飼われている牛っていうのは、いつ生まれているのか分からない牛が多いんですね。日本の場合は人工授精していますから、いつ生まれた牛かっていうのは1頭1頭すぐ分かるんですけど、アメリカの場合、群れに放していて、シーズンが来て行ってみたら新しい子牛が生まれていて、引き取ってというふうにするので、実は分からない牛がいっぱいいるんですよ。
 で、その牛を巡ってどうするかということで、アメリカの業者は『履歴が分かるようにしますよ』って言った業者もいるんですけど、農務省(USDA)というところが国全体としてはそんなこと出来ないからというので、不確かな牛を日本に売りつけようとしてるっていうので、今トラブっているわけですね。不確かなものはリスクが分からないので、これはキッチリやってもらわないと困りますよね。なので、日本の食品安全委員会はよく粘っているなぁと思いますね」

●今のところ市場に出回っている牛肉は安全なんですね。

「BSEに関して言えば牛は何の問題もありません」

●気にしなくて大丈夫なんですね。

「日本では全く大丈夫です」

●最近は、鳥肉なんかも問題になっていますよね。

「鳥肉自体が危ないっていうことはないんですけど、鳥インフルエンザっていうのは突然変異を起こすんですね。昔、僕が生まれる前ですけど、スペイン風邪なんていうのが流行ったりしていて、世界で何千万人が亡くなったんですね。それは鳥インフルエンザが起源なんです。で、去年起こった鳥インフルエンザは強毒ですから、ああいうものが世界に広がると、世界中で5億人が亡くなると言われているほど怖いんですよ」

●鳥インフルエンザに関しては今後も要チェックという感じなんですね。

「よく見ておかないと、あれが人に移り始めたらパニックですからね。だから、全く別の対策を考えなければいけないと思いますね」

●私たちがニュースで見聞きすると、直接的にどこまで害があるか分からない中で、危険に思って遠ざけてしまうものもあれば、逆に結構言われているのに、「大丈夫よ!」って言って、口にしてしまったり使ってしまうものというのもあると思うんですけど・・・。

「それもケース・バイ・ケースで、例えば旅に行った時に選ぶものがないわけでしょ。そしたら、あてがえ扶持のものの中から9割食べて、1割くらい残せばいいわけですよ。その1割って言うのは漬物だったり色のついたハムだったりっていうことになりますけど、その程度のことをしていけばいいでしょうね。でも、家庭で選ぶときにはもう少しレベルを上げていけばいいので、状況にうまく対応できるかがポイントだと思いますね」

過ぎたるは及ばざるがごとし

●食生活の見直しということで、中には私たちの常識とはかけ離れた指摘もありました。例えば、無洗米。

「環境にいいって言っているのは全くの間違いですよね。業者がそう言っているわけですけど、考えてみて下さい。昔、日本人は今と比べて倍、米を食べていたわけですよ。で、もっと糠のついた米をよく研いで、全部流していたんですよ。それで、川には魚がいて、豊かな自然があったわけでしょ。今は川に魚が非常に少ないわけですよね。米を半分しか食べなくて、もともと、よく精米していて糠がついていないですよね。非常に糠が少なくなっていて、無洗米にしなくたってそのまま水に入れて食べてもいいくらいな精米度になっているわけですよ。そいつをあまり研がずに食べるようになった今になって『糠が危ない』って言われてもね(笑)。やっぱりおかしいでしょ」

●そうですねぇ。

「糠っていうのは本来はドブに流れていって、ドブの中の微生物の栄養源になって、もちろんボウフラも湧きますけど、そのボウフラを魚が食べてというふうに町の中の小川にもちゃんと魚がいたわけですよ。40年くらい前まではそうだったわけですから。やっぱり毒性があるということで言ったら、合成洗剤ですよね。衣服を洗っている合成洗剤をそのまま流すほうがずっと環境に悪いんですから。糠が悪いっていうのは、あの濃い水をそのまま腐らせたときに、どれだけ酸素を消費するかという指標を作って、悪いって言っているんですよ。でも実際には色々な水と混ざっていきますから、糠なんて薄まって微生物の適当な餌になるわけですよ。だからそのまま流してやればいいわけですよ」

●なるほどね。古くからの日本のことわざに「水に流す」っていうのもありますしね。

「だから水に流す時代の普通のものが糠だったんですね。今の合成洗剤のように本当は水に流しちゃいけないものを水に流しておきながら、水に流していいものを悪いかのごとく言うのはデータの使い間違いなんですね」

●そうすると、悪いものがどんどん流れてゆき、そういうものを吸って育つ植物も多々あり、農薬なんかも使いながらってことを考えると、野菜ってどう見分ければいいのか分からなくなっちゃいますよね。

「もう完全には見分けられなくて、おっしゃったように、吸い上げるものがあるわけですよ。それは環境にある有害物質だけを吸い上げているなら、もともとあったわけですからいいわけですけど、最近の農薬の中には根から吸い上げてやって、葉っぱに付いた虫を殺そうなんてやつがあるから始末が悪いんですよ。でも、これは中に入っているのでとれないんですよね。したがって、しょうがないからせめて外からスプレーしたみたいなものを洗って食べようと。それから、熱をかけて飛ばして食べようというようなことしか出来ないんですけど、根っこから吸い上げて虫を殺すような物質を農薬として認可しないでもらいたいと思うんですけどね」

●こうやってお話をうかがっていると、小若さんなんてあまりにも色々知りすぎていて、世の中のものをあまり口に出来なくなっちゃうんじゃないですか?(笑)

「みんな死んでいるわけじゃないですし(笑)、僕はそれよりも少なめに食べていますから、ガンにかかる確率は普通の人よりは少し低いんだろうと思っていますけどね(笑)」

●ガンっていうと、ベータカロチンが悪いというふうに本に書いてありました。

「最近、ベータカロチンの入った食品って見ないでしょ。昔、すごく流行ったことがあったじゃないですか」

●ウチのプロデューサーも進んで飲んでいました(笑)。

「(笑)。その昔はベータカロチンっていうのは、ガンを減らすということで効果があったんですよ。『その昔』っていうのはなぜかというと、ベータカロチンがまだ有用だということを知らなくて、平均的な摂取量が必要摂取量に満たない場合、つまり、摂り方が非常に少なかった時代にベータカロチンを大量に投与してあげると、タバコを吸っている人なんかでも有意差があるくらい、明らかにガンが減ったんですよ。で、ベータカロチンはいいものだということになって、普通の人がいっぱい摂り始めたんですよね。加工食品なんかにもベータカロチンをどんどん入れ始めて、普通の人でも必要摂取量より越えちゃったんです。その必要摂取量を越した状態で、ベータカロチンのサプリメントとかを飲ませて、17万人の実験をやったんですよ。そしたら、普通に何にも摂らない人よりも、ベータカロチンのサプリメントを摂った人のほうが、ガンが30パーセントも増えてしまったんです。お気の毒ですけど、お金を出してガンを作っているというのを多くの人がやっているわけですよ。ビタミンEなんかもそういう傾向がありまして、その他のものはまだ調べられていないんですよ。今は大体のものの必要摂取量を満たしていますから、普通の食生活をしている人がサプリメントに手を出すっていうのは基本的に間違いですよね」

●余分に摂りすぎているということですね。

「余分に摂りすぎてしまうといいことはないんですよ。だから、余分に摂りすぎないっていうことを一方では考えながら、でも、あんまりひどい食生活をしていると無茶苦茶な人がいますからね。そういう人には少しメリットがあるんだろうと思うんですけど、一応、そこそこに考えて食べている人にとっては、サプリメントとかドリンク剤っていうのは基本的に意味が無いと考えたほうがいいですね。
 スーパーの赤ちゃんコーナーとかに行きますと、ベビー飲料と称するものがズラーッと何メートルも何段にも渡って並んでいるんですよね。それを箱で買って帰る人がいるんですよ。で、要するに、水を飲まさずにスポーツ飲料を子供に飲ませているお母さんがいるらしいんですよ。だって、そうでないとあんな箱で買うわけないじゃないですか。そうすると、一日中砂糖の入った水を飲ませているわけですよ。で、糖分っていうのは量が多くても少なくても虫歯の原因になるわけです。で、虫歯の原因にならないようにするためには1度砂糖を入れて、3時間、間を空ければその間に小さい虫歯になって修復されて元に戻るんですよ。ところが、のべつ幕無しにずーっと砂糖を入れていると、ずっと虫歯菌にやられますから、たちどころに赤ちゃんが虫歯だらけになってしまうということで、医者の間ではベビー飲料が問題になっているんですね。だけど、そんなこと聞いたことないでしょ?」

●ないですね。

「だから、お母さん方が知らずに箱で買って帰って、怖いことをやっているわけですよ(笑)。で、赤ちゃんの歯がボロボロになってしまうんですよ」

おしゃぶりが危険!

使うな、危険!

●私たちの日常生活を見直していく中、食品に続いて後半は「使うな、危険!」に沿って暮らしをチェックしていこうと思います。まずは、赤ちゃんにとってはとっても大切なおしゃぶり。

「おしゃぶりっていうのは、赤ちゃんが泣いたりしたときにポコッと口に入れれば、泣くのをやめちゃうのでとっても便利じゃないですか。ところがあのゴムの硬さが微妙にいい硬さなんですよね。適度に歯に刺激を与えてやって、1歳まではまだそれほど歯が生え揃っていないから大丈夫ですけど、3歳までおしゃぶりをくわえさせておくと、100パーセントの赤ちゃんがおしゃぶりの部分の歯だけ円く穴が空くんですよ。それで、前歯の噛み合わせが出来なくなるんですよ。でも、しょうがないから噛もうとするじゃないですか。そしたら、前で噛むか後ろで噛むか、無理して噛むので顎がおかしくなってくるんですよ。で、顔が変形しちゃうんですよ。乳歯ですから、永久歯に生え変わりますよね。生え替わると歯がガチャガチャ。だからもう、子供にとっては顔は変形する、歯はガチャガチャになるって、メチャクチャなんですよね」

●今、子供からおしゃぶりを取り上げたお母さんが何人かいらっしゃると思います(笑)。

「1歳までは大丈夫だと思うんですけど(笑)、それを過ぎるとダメなんですよ。我々、毎月月刊誌『食品と暮らしの安全』を出しているので、そちらで続報を報道していますけど、メーカーさんに質問状を出しまして『注意表示をすべきだ』って言ったら、前向きな回答を3社のうち2社が出してきました。いずれ『危ないよ』って表示が出ると思います。メーカーさんのほうは『鼻呼吸をするから健康にいいし、親は便利だ』って言って売っているんですよ。だけど、実際にはそうやってものすごいマイナス面があるものが売られていて、そういう注意表示が全くないという商品があるわけです。そういうのを事前に知っておかないと、これは気が付かないですよね。子供がおかしくなってからしか気が付かないと思うんですよね」

●最近、子供達の中にもアトピーの子って多いじゃないですか。アレルギー体質の子がすごく多いですよね。その原因をとるためにってやっているものが、かえってそれがアレルギーを引き起こす原因になっていることがあるんですよね?

「ありますね。喘息も同じです。仙台に、てらさわ小児科というのがあって、寺澤先生という方がいらっしゃるんですよ。僕たちは盟友で、10年以上前から色々なことをやってきたんですけど、寺澤先生がユニークなところっていうのは、原因除去をちゃんとやることなんですよね。アレルギーや喘息の患者さんが見えた場合に、原因除去を徹底するんです。ところが、日本中にいる専門医の99パーセントといっていい、ほとんどの専門医は原因除去が僕らから見たら不徹底なんですよ。つまり、食べ物アレルギーがあるかどうか調べて、ダニアレルギーがあるかどうかを調べて、『あとは知らん』っていう感じなんです(笑)。実は防虫剤なんて家庭で洋服ダンスなんかに大体入っているじゃないですか。それが、ものすごくアトピー性皮膚炎を起こしやすいっていうこともハッキリしていますし、喘息を悪くするっていうことも明らかなんですけど、そういうものを全くチェックしない専門医の方が多いんですよね。例えば漆にかぶれた場合、漆が胸ポケットに入っててお医者さんに来たら、漆を取るでしょう。それで、顔がかぶれたところを治療するわけですよ。例えば、食中毒を起こしたときに、まだお腹の中に有害菌がいたら、菌を下剤で流しちゃうか殺すかして、それから治療するのが普通じゃないですか。ところが、アトピー性皮膚炎とか喘息の場合は、原因除去していないんですよね。医者に行くとちょっとは原因除去をするんですけど、僕たちから見たら確率が2〜3割しか当たらないような部分だけ治療して、あとの7〜8割くらいは残したままで薬なんですよ。で、薬、薬っていくんだけど、原因残しておいて治るわけないじゃないですか。すると、薬は強い薬を使わなくちゃいけないから、副作用が出てくる。そういう原因除去をまず徹底してみて、それでも治らなければ薬っていう話にいくべきだと思うんですけど、そういう基本が日本中で行なわれていないんですね。それが、この本全体を貫くト−ンなんですよね。寺澤先生との話し合いをまとめた『寺澤メソッド』っていうのを一番最後に付けてあるんですけど、各論が78項目載せてあります」

掃除機を使うと部屋が汚れる!?

小若順一さん

●聞くところによると、小若さんは掃除機が大の苦手だそうですね。

「僕自身が一番頭に来ているのは掃除機ですね。掃除機は僕、小さい頃から逃げ回っていまして(笑)、掃除機の排気を吸うと、喉がおかしくなる、頭が痛くなる、風邪をひいたようになるって色々な症状を何度も受けていて、とにかく逃げ回らなきゃいけなかったんです。でも実際、逃げ回れない場所があって吸い込むと大抵、それからしばらくして体調を崩していたんですよ。
 床を掃除するじゃないですか。すると、床には色々なほこりが落ちていて、小さいのがあるわけですよ。そこへ掃除機がわざわざ小さなほこりを吸いだして、排気から何十万っていうほこりがブワーっと出てくるわけですよ。だから、掃除機をかければかけるほど、部屋が汚れていくっていうことになるんです」

●要するに、目立つゴミはなくなるけれども、目に見えないミクロのチリが部屋に撒き散らされてしまうんですね。

「おっしゃる通りです。どっちが危ないかということですよ。目に見えるほこりが危ないのか、目に見えないほこりが危ないのかっていうことです。見えないほこりが危ないんです。ところが、ヨーロッパで一番の掃除機を作った開発担当者にこの前僕、会ってきたんですけど、徹底的にチリを取ろうということしか考えていないっていう人が開発しているんですよ。私がビックリするんですから相当ですよ(笑)。向こうも驚いたと思いますけどね(笑)。僕はとにかく、排気はキレイなほうがいいと思っていて、もう、そんなレベルじゃないですよね。とことんキレイにしてやろうってことで開発していて、それでできたのが『オキシジェン』というスウェーデン製の最高機種の掃除機なんです。その会社はエレクトロラックスっていうんですけど、その世界最大の掃除機メーカーでも色々なグレードがありまして、下のほうの掃除機はデザインがいいとかってあるんですけど、上の最高ランクのやつは空気のいいのが最高だということで、その部門の担当者と会ったんです。たまたま、月刊誌のネタがないので『じゃあ、掃除機でもやってみようか』ということで、スタッフを使って色々と調べさせていて、測定器を借りてきて計ってみたんですよ。そしたら、本当にチリが出ないんですよ。例えば、この部屋のほこりを調べてみると5万個〜10万個くらい、1万分の3ミリくらいの大きさのチリが舞っているんです。これが掃除機の排気で測ってみるとゼロになるんですよ。で、日本の掃除機だと、ほこりが5万個舞ってるとすると、3万個くらいはちゃんと出てくるんですよ(笑)」

●掃除に対する考え方が変わってしまいそうです。

「だけど、日本のメーカーはよく考えていて、そうやって小さいチリが出る掃除機を売っているわけですよ。だから、空気清浄機を売りつけるんですよ。その空気清浄機が本当にキレイならいいんですけど、実際に開けてみたら、梅雨を越すでしょ。梅雨の時に中に湿気が入っちゃってカビが生えるんですよ。で、そのカビが裏まで回っていて、カビ発生機になっちゃうんですよ(笑)。買ってきた当座は科学物質がたくさん入っていますから、空気清浄機といえどもいやな臭いのする空気が出てきて、化学物質を少し出してくれるんだよね。で、何カ月か使っているうちに、本当にキレイな空気が出始めて、梅雨を1シーズン越えると、今度は空気清浄機はカビ発生機になっているんです(笑)。実際に測定もしましたけど、カウントがいっぱい重なるんですよ。
 『フィールター単体の性能は素晴らしい』って、みんなフィルター単体の性能しか表示していないんですけど、実はそのフィルターの周りに隙間がちゃんとありまして(笑)、空気清浄機が空気をブワーっと持ってきてフィルターにぶつけて、フィルターは目が細かいですから、そこを空気は通らずに回りの隙間を抜けて後ろから出てくるんですよ(笑)。するとカビが後ろにいっぱい生えているという、恐ろしくインチキな機械を日本のメーカーはたくさん売っているんですよ」

●最近では、自動で掃除してくれるエアコンもありますよね。

「あれも意味が無いんですよ」

●掃除をしてくれるなら、キレイを保てていいのかなって思ったんですけど・・・。

「いいと思うでしょ? 私も一瞬いいと思ったんですけど、『待てよ』って気付いて。ロボット君が掃除するのは外側のフィルターなんですよ。だけど、要するに掃除機をかけるから小さいチリが部屋にいっぱい舞っているわけです。そいつをエアコン君が吸い込んで、中で冷たくして出してくれるんですよ。すると、中で冷たくしますから結露するんですね。そこにカビとか微生物が発生して匂いが出てくるわけです。実は、その餌はほこりなんです。本当にいいのは、100円ショップへ行けば売っているエアコン用のフィルターを外側に1枚付けるんです。普通のレンジフードに付けるやつを切って付けても構いません。そうすると、ものすごいほこりがそこに付くんですよ」

●ウチ付けてますー! 真っ黒です(笑)。

「でしょ? 要するに、あれだけ外でほこりが取れて、中で普通のエアコンの正常なフィルターがもう1枚あって、すると奥に入っていたカビの餌がなくなるんですよ。だから、どんどん匂いが出なくなって、外は真っ黒ですけど中の匂いは減りますから」

●外のフィルターだけ替えればいいんですね。

「そうそう。だから、すごく使う家庭で1カ月に1回。あまり使わない家庭だと半年に1回くらい、年200円の補修費用で匂いも出なくなって、つまりエアコンが長持ちするわけですよ」

●なるほど。小若さんのお話を聞いていると、危ないものばかりのような気がするんですが(笑)、対処法を教えていただけますか?

「最も安上がりにいこうと思えば、窓を全部開けっ放してほうきで掃いて、あと拭き掃除をすれば、それで家は相当キレイになって、エアコンも長持ちしますし、全てうまくいくんですよ。だけど、そういうのが嫌だって言うんだったら、さっきの最高機種の『オキシジェン』っていう掃除機を買えば、7万1千円くらいですから、そのくらいのを1台置いておけば、部屋にチリが舞いませんから、エアコンが長持ちするでしょ。空気清浄機がいらないでしょ。で、日常的に掃除の回数が減るでしょ。というふうに全体的にはすごく安上がりなんですね。そこから応用編としては色々ありますけど、というのは危険なものがたくさんあるわけで、そういう危険なものをどう避けるかっていうのは個別に勉強してもらわなきゃいけませんね」

●それは全部「使うな、危険!」に書かれていますもんね。

「ええ。ポイントは全部紹介したつもりなんですけどね」

●今のお話を総合して考えると、あまり余計なことをせずにシンプルに・・・。

「シンプルに安上がりな生活をしていけば、非常に安全だということです(笑)」

●(笑)。これは願ってもないことですよね。シンプルで安上がりっていうことですからね。でも、避けて通れない危険なものっていうのは、食べるもの、使うもの、多々あるので、それらはこの本、「新・食べるな、危険!」と「使うな、危険!」をじっくり読んでいただきたいと思います。私も勉強させていただきたいと思います。掃除機はちょっと考えさせていただきます(笑)。今日はどうもありがとうございました。


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■「食品と暮らしの安全基金」代表「小若順一」さん情報

新刊『新・食べるな、危険!』
講談社/定価1,470円
 2002年に出版され、23万部を超えるベスト・セラーとなった『食べるな、危険!』の続編。肉類、魚介類、野菜、加工食品、飲み物など、ジャンルごとに、それぞれの危険性や問題点を指摘。また、安全なものの選び方も記載。

新刊『使うな、危険!』
講談社/定価1,470円
 食べ物にスポットを当てた『新・食べるな、危険!』に対して、日常生活で使うものをフィーチャー。家電製品、台所、洗面、お風呂、美容、子供用品などのジャンルごとに、それぞれの危険性や問題点を指摘。危険を避ける方法も記載。

月刊誌『食品と暮らしの安全』
 「小若」さんが代表を務める「食品と暮らしの安全基金」では、国内・国際的な活動の成果を記載した月刊誌を発行。最新の安全・危険情報のほか、安全食品・製品など、食の安全に関する役立つ情報満載のこの月刊誌は定期購読もできます。

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. LIVING IN DANGER / ACE OF BASE

M2. WRONG OR RIGHT / BOBBY CALDWELL

M3. MISUNDERSTANDING / GENESIS

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. THEY DON'T CARE ABOUT US / MICHAEL JACKSON

M5. GOOD THING / REBECKA TORNQVIST

M6. BETTER DAYS WILL COME / TAHITI 80

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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