2007年12月30日

ベスト・オブ・ザ・フリントストーン2007

 2007年最後のザ・フリントストーンは、地球を知る、地球を学ぶ、地球と遊ぶ、そして地球に生きるをテーマに、今年出演して下さったゲストの方々のお言葉を再構成して綴るスペシャル・エディション「ベスト・オブ・ザ・フリントストーン2007」をお送りします。

地球を知る

 最初のパートは「地球を知る」というテーマで進めていきますが、私たちが住んでいるこの地球の現状を、お仕事を通じてよく知る立場にいる人たちがいます。それはカメラマン。以前、ある方が“ネイチャー・カメラマンは明日より今日、今日より昨日なった方がいい。というのも、自然という被写体がどんどん無くなっているから”とおっしゃっていたんですが、今年3月に出演して下さった藤原幸一さんも、ファインダーを通して見た南極の現状をこんな風に語っていました。

藤原幸一さん

藤原幸一さん

「地球にもすごい自然がある。でも、南極はただ氷の大陸で存在しているわけではなく、この生態系や気候も含めて、大きな役目があるんだっていうことを痛切に思いましたよ。だから、それはそのままでいてもらいたい。で、地球がこんなに水が豊かで、緑が多くて生き物もたくさんいる豊かな星になってくれたのは南極があるからですよね。南極が間違いなくクーラーの役割をしてくれています。もし、この南極がなければ水はとっくに気体として発散して、地球上は砂漠みたいな月状態で、生き物のかけらもなかったでしょうね。
 もう1つ、南極近海は冷たい海なので、深いところに冷たい水が沈んでいきますね。それで、北を目指します。で、それが赤道を越え北極に行き、また循環してだんだん温められて上に上がって、温かい水として南極に戻ってくるんですね。その大循環、大蛇行があるんですよ。これは豊かな栄養素をものすごく含んだ水の大蛇行なんですね。この蛇行の中で表層に上がってきたことによって、大量のプランクトンが発生して、魚達を養って、またクジラも養ってという、海の豊かさは南極なくしてはありえないんですね。
 で、温暖化はこの大蛇行を止めようともしているんですよ。これは恐ろしい話だと思う。南極は一見、ペンギンさん達だけで不毛の地に見えるんだけど、実はとてつもなく大事な担い手で、地球上の生き物のゆりかごのような母なる南極ということも随分勉強させられましたね。だから、この南極は守りきらないと半端なことじゃ済まなくなりますね」

 また、8月に出演して下さった倉沢栄一さんは、被写体としてのジュゴンを通して、地球の危機をこのように感じていらっしゃいます。

倉沢栄一さん

倉沢栄一さん

「ジュゴンというのは、分類学上海の牛と書いて海牛類というんですけど、海で唯一、植物を食べている海洋哺乳類なんです。ほかに海洋哺乳類っていうとクジラ、イルカ、アザラシ、ラッコとかいますけど、魚を食べていたり、動物性のプランクトンを食べていたりして、全部、肉食なんですね。で、その海牛類だけは、アマモという海草を唯一食べている動物でして、そういう意味ではすごく偏食主義者なんですよ。それしか食べられないんですよ。でも、それしか食べられないように特化してしまった偏食が仇となって、今みたいに地球の環境が劇的に変化しない時代であれば、適応できたんでしょうけど、そもそも海草っていうのは温かい海の海岸近くの浅瀬に生えているんですけど、そういうところって真っ先に開発の手が入って埋め立てられたり、そういう環境がなくなってしまうわけですよね。そういう劇的な変化の時代には到底適応できない。そういう意味では絶滅の危機に向かっている動物ですよね」

 “写真家の目”ということがあるのかもしれませんが、カメラを通さなくても写真感覚で自然を見ると、色々なことがわかってくるかもしれません。11月に出演して頂いたネイチャーゲーム研究所の佐々木香織さんはこんな方法で自然を見つめています。

佐々木香織さん

佐々木香織さん

「今日、実はここのスタジオに来る前に5分くらい早く着いたので、1人ネイチャーゲームをやっていたんです(笑)。カメラゲームというネイチャーゲームがあって、普通の活動では2人1組のペアでやるものなんですけど、今日は1人でそれをやってみたんですね。やり方はすごく簡単です。結構、木がたくさん茂っていたので、幹越しに木を下から見上げてみたんですね。で、1回自分の目を閉じて、しばらく自分の気持ちが落ち着いたなと思ったら、パッと目を開けるんですね。3秒間くらい目を開けて、また目を閉じます。3秒間だけ自分の目にその風景が映し出されるんですけど、自分がまさにカメラになって、自然の一瞬の美しさを切り取って、自分のカメラで写真に撮ってみるっていうプログラムなんです」

●まばたきシャッターなわけですね!

「そうです! そんな感じの活動なんですけど、今日はサクラの木だったのかな。緑と黄色が少し混じった葉っぱと青い空のコントラストがとてもきれいな写真が1枚撮れました。漠然と見ているときにはちょっと気がつかないような美しさみたいなものが、たった3秒間っていう時間でみつけることができるっていうのが面白いところだと思います」

地球を学ぶ

 パート2は「地球を学ぶ」というテーマで進めていきましょう。まず登場してもらうのは、7月にご出演いただいた海洋ジャーナリストの内田正洋さんです。内田さんは今年ついに来日を果たしたハワイの外洋航海カヌー、ホクレア号のプロジェクトから色々なものを学んだとおっしゃっていました。

内田正洋さん

内田正洋さん

「要するにホクレアが持っているものっていうのは、おそらく今の人類が抱えている大きな問題のキッカケなんですよ。で、1000年以上前の航海をやってきたっていうことは、1000年以上前のことを体験するっていうことで、1000年前の世界までさかのぼれる。で、それが出来ているっていうことは、多分、そこに1000年分の知恵が入っているんだよね。

ホクレア号
写真提供:ハワイ州観光局

 京都議定書も日本の京都で決めたことだから、それも日本の責任だし、多分、色々な責任が今から日本に関わってくる。だけど、そういうものに日本が対処していくためには、この21世紀にカヌーによる教育があれば、対処できる子供達が生まれてくるはずだってホクレア号を見ていて感じるのね。日本の海洋文化っていうのはとてつもなく奥が深いし、歴史も長いし、そんじょそこらじゃ壊れないっていうのが今回ハッキリと確認できたのね」

 古代人たちの叡知がつまったカヌー、ホクレア号とともに航海することで、先人たちの素晴らしい知恵や考え方を学ぶ星の航海士・ナイノア・トンプソンさん。内田さんがいう通り、私たち日本人も海とともに生きてきたヤポネシアンであるならば、同じように学ぶことが出来るのではないでしょうか。
 そんな先人たちの叡知を、音楽を通じて感じ取ろうという映画が『地球交響曲/ガイアシンフォニー』の『第六番』でした。4月に出演して下さった龍村仁監督は、こんな風におっしゃっていました。

龍村仁さん

龍村仁さん

「ガイア理論っていうのが、全ての存在は人間も植物も動物も虫も岩も風も水も全部が繋がって、1つの大きな生命システムとして働いていて、人間もその一部だっていうのが、ガイア理論じゃないですか。だけど、繋がっているのは言葉としては分かったけど、どういう風にして繋がっているのかっていったときに、科学的な理論で一生懸命言ってもなかなか難しいけど、一番分かりやすいのは原子のようなミクロな世界から、バクテリアみたいなもの、虫や動物、人間も木も風も水も全部、この世の存在は全て、それぞれ自分の音楽、独自の音楽を奏でている。聞こえるか聞こえないかは別にしてね。だから、全ての存在は音楽を奏でているんだと考えてみると、ガイアのシステムが非常に分かりやすいわけ。『地球交響曲』っていうのもそういう思いだったわけですね。音楽の交響曲と同じように全てのものが独自の音を出しながら、共に奏でて調和を取っている。そういう意味でいうと、今回の作品は、今、我々が抱えている一番大きな問題点というのが、『自分の音楽を奏でたい』と思うのはいいんです。いいんですけど、大きなハーモニーの中で自分の音楽がちゃんと機能するためには、自分以外の存在が奏でている音をちゃんと聴かないと、自分はどういう音を演奏すればいいかっていうことが分からなくなるんだけど、今の人間の社会は自分以外の存在が奏でる音楽を聴かないで、自分だけの好きな音を出していて、全体としては不協和音を出して、地球の生命システムをおかしな不協和音にしてしまっているというのが今だとすると、私達は今、自分以外の存在が奏でている音楽を聴く耳を、もう一度ちゃんと開かなきゃいけない」

地球と遊ぶ

 今年2007年に出演して頂いたゲストの方々のお言葉を再構成して、地球人としての私たちの生き方を探っている今週のザ・フリントストーン、パート3は「地球と遊ぶ」ということで、地球をフィールドに様々な活動をしている方々のお言葉をご紹介しましょう。
 まずは我らが兄ぃ、冒険ライダーの風間深志さんです。8月に出演して頂いた時にユーラシア大陸横断のお話を伺ったんですが、その時、訪れたブリヤート人の村で風間さんはこんなことを感じられたようです。

風間深志さん

風間深志さん

「今回もピストルを持った輩に追われて、かくまってもらったのは、ブリヤート人という我々と同じような顔をした人に助けてもらったのね。彼の牧場に行ったら、羊や犬、牛、七面鳥、豚がいて、柵はあるんだよ。夜はその柵の中に入っているんだけど、朝になったら夜明けと同時にみんな勝手に散歩へ行くんですよ。牛なんて何十キロも向こうまで散歩に行くんですよ。で、みんな帰ってくるわけ。その柵同士を越えて、牛の柵の中に豚が入っていったりして、みんな友達なんだよね。で、みんな自由で、『お前達はこの世の中で一番幸せな動物だな!』って言っちゃったよ。そのくらい台地の平原の中で自由に生きていて、あれこそ太陽とともに起きて、太陽が沈むとともに休むということの繰り返しをやっているんだけど、まさに営みを見たような気がしましたね。
 ところが、そこからダーッとモスクワへ行って、バーッとドイツのアウトバーンを行って、車がブワーブワーと走ってくると、これが快適を求めた人間の生活の成れの果てなんだなと思いましたね。ベクトルの先端にいますよ。そこは止めようがない。人間に心の余地がない。『すみませーん! 止まって下さーい!』って言っても止まらないよ。それは経済の動きだし、世の中の動きだから。変えようのない人間の営みというか、文明の行き先に不安もあるよね。その中で僕らは心身症にもなったり、悲惨なこともあったり、いがみ合いもあったり、戦争もある。でも、都市には都市だからこそありうるメトロポリタンの素晴らしいものもある。ネオンもあって、快適性もある。素晴らしいランチもディナーも食えるじゃない。オシャレもできるじゃない。でも、そこにはないものがいっぱいあるわけだよね。

風間深志さん
写真提供:
風間深志事務所

 日常が楽しかったらいいんだけど、時々は視点を変えて、毎日の生活の中に埋没する木の葉が揺れる音とか、小鳥のさえずりとかって本当にいいよね。だから、人間っていうのは五感を全て使って生きると、生きることのダイナミズムっていうか『生きていてよかった!』っていう気分があらゆる部分から吸収できるね。俺はそのほうがいいと思うから。都会では特に、人を喜ばせるのがお金だから。どうしてもそこにくっつくんだけど、お金からギューっと目を離してさ、川のほうに目を持っていったり、山の方に目を持っていくと、『あー、こういうのもいいよなぁ』って必ず気がつくはずだよね。だって、もともと僕らはそういうような動物だから、そういうものに感動する心を持っているんですよね」

 相変わらずいいことをおっしゃっている時は、照れ笑いする風間さんですが、今年の冒険ということでは、この人も忘れられません。世界一周単独ヨットレース「5オーシャンズ」で見事2位に輝いた白石康次郎さんです。白石さんには6月に2週連続で出演していただき、レースのことを詳しくふり返ってもらったんですが、このレースを通して、同じ地球と遊ぶ仲間の絆も強く感じたようです。

白石康次郎さん

白石康次郎さん

「このレースはみんな1人でしょ。やっぱりみんな過酷なんですよ。で、もう1つ、港に寄りますよね。すると、またどんどん仲良くなるんですよ。出発前はみんな『頑張ろう!』とか言わずに『Sailing Safe』って言うんですね。とにかく『生きて次の港で会おうよ』と。最後になっちゃうかもしれませんからね。で、みんなと握手してスタートしていくんですね。実際、第1レグではアレックスというイギリスの選手のヨットが航行不能になってしまって、僕とマイクが助けに行くんですよ。で、明日は我が身ですよね。自分の船が明日壊れるかもしれない。そういうところは周りに船がいないんですね。お互いに助け合うんですよ。だから自然と絆が深まるんですね。同じ苦労を共にしたし、スポンサー集めも大変だったし、確かにみんなライバルなんだけど、海に一度出てしまえば最高の友人であり、家族なんですね。これがずっと続くんですよ。

白石康次郎さん
写真:矢部洋一

 実は、アメリカで前回の船の仲間が全員集まりました。みんな来てくれてね。『アラウンドアローン』のときに戦ったクラス2の仲間がみんな来てくれて、肩を抱き合って喜びましたよ。僕だけ唯一、連続して大会に出ていたんですね。で、みんなで乾杯をして、素晴らしい夜でしたよ。みんな『康次郎よくやったな。今度はクラス1おめでとう』っていうことで来てくれて、生涯続く仲間なんですね。これが、このレースの最大の魅力ですね」

 白石さんはご出演いただく度に、“海から色々なものを教えてもらっている”とおっしゃっていますが、11月に出演して下さったプロ・ウィンドサーファーの中里尚雄さんは、海とともに生きる者として、地球に心を合わせる生き方が大事だと話してくれました。

中里尚雄さん

中里尚雄さん

「41年生きている中で『ディセンション〜自らを下げる』っていう本を出しましたけど、今の自分の答えがディセンション(Descention)っていう言葉なんですね。これはどういう意味かというと、自分を下げるとか、自らを落とすわけですね。今、この反対の言葉にアセンション(Ascension)っていう言葉があるんですけど、やたらみんなアセンションしたがって、僕もアセンションしていた1人なんですけど、やたら見栄を張って、色々な物であったり、執着があって、それを人に見せびらかしたり、それに自分の満足を見つけて、欲を満たしていたりするんですけど、そうじゃなくて自分を下げなきゃいけない部分も出てくるだろうと。下げると自分の正直な本音が出てくるんですよね。地球と心と合わす正しい道が開けてくると思うんですよね。僕はよく、『海に入らなくてもいいから、砂浜に足を運んでくれ』って言うんだけど、それによって自分の中に溜まった欲や余分なものを、1回キレイに流すことができるんですよね。特に波に入ったら余計クリアになって空っぽになりますけど、空っぽになったところに本当の地球に合わす心っていうのが生まれてくるので、そういう提唱をよくしています」

地球に生きる

 「BEST OF THE FLINTSTONE 2007」、最後のパートは「地球に生きる」をテーマに、2008年の私たちの生き方のガイダンスになるようなお言葉をご紹介しましょう。
 まずは今年大ブレイクしたタレントのルー大柴さんです。ルーさんには9月に出演していただき、ルー語を交えてこんなお話を伺いました。

ルー大柴さん

ルー大柴さん

「人間って非常に面白いもので、習慣で慣れちゃうと、体も贅沢になってくるわけだよね。だから、トラッシュの話もあるし、CO2の話もあるんだけど、考えてすぐ取り組まなくちゃって思うと、ヘヴィじゃない。今まで慣らされているから。だけど、10やっていたものを8にするとか、10やっていたものを7にするくらいだったら、ゼロにするわけじゃないからディフィカルトじゃないじゃない。そうやって1人1人の心がけがベリー・インポータントじゃないかって思うわけ。だって、今まで10で極楽とんぼしていたものが(笑)、ゼロになったら人間って『オー! アウチ!』みたいなことになってくるわけじゃない。だけど、それを少しずつ、電気は消そうとか、水の流しっぱなしはよそうとか、石鹸は最後まで使おうとか、そういう努力をすれば、1人1人の心がけで『ちりも積もればマウンテン』なんて言葉もありますよね(笑)。そういうことで、ゴーしていけば少しは環境がよくなるんじゃないかと思うんですね。で、僕らの世代はあと10年20年でリタイアになる可能性ってあるわけじゃない。だけど、私も子を持つ親として、子供のためにも、少子化といわれている世の中だから、この環境で子供を産めるのかっていうこともあるわけじゃない。でも、メイビー私にも孫ができると思うんだけど、そのためにも今、アダルトの僕らができることってなんだろうっていうと、毎日の一つ一つの心がけじゃないのかな」

 日本が生んだ素晴らしい考え方、“MOTTAINAI”を子供たちにもちゃんと受け継いでいきたいですね。更に、4月に出演して下さったオークヴィレッジの代表であり、木工芸家、作家でもいらっしゃる稲本正さんからは、日本の素晴らしさとともに、生き方のヒントをいただきました。

稲本正さん

稲本正さん

「日本は世界一のキレイな水を持っている国です。その世界一の水を持っている国が、海外から色々な名前のペットボトルに入った水を輸入しているでしょ。あれはおかしいんだよ。まず、日本の水を飲もう。で、人間は1日に約2リットルの水を飲むんですよ。これに汚いものが入っていたら、どんどん体に蓄積するわけだよね。だから、きれいな水を飲む。キレイな水はどこでできるかというと、結論を言っちゃうけど森が作るんですよ。いい森ができていれば、キレイな水ができて、それで、魚もキレイになる。で、そのいい水を毎日2リットル飲みましょうと。それと、もっと重要なのは別なところで、人間は1日に20キロ空気を吸うのよ。人間って吸うんだなぁ。吸わなきゃ生きていられないけどさ(笑)。1日に20キロも吸うんだよ!(笑)」

●数字で考えることってないですもんね!

「毎日、吸って吐いて吸って吐いてってしているわけよ。その空気が悪いとダメ。で、CO2も明らかに増えているし、それ以外にも汚いものはいっぱいあるわけ。その空気をキレイにするためにも、山に木を植えなきゃいけない。で、もうひとつの問題が食べ物。日本は食べ物の4割しか自給していないのね。要するに、食料が来なくなったら6割の人が死ぬんだよ。もはや食糧危機だよね。だから、食料自給率を高めて、おいしい日本のものを食べるっていうことをやればいいだけのことなの。それが環境にいいんだから。で、頑張れば食料自給率を今の倍くらいにはできますよ。昔は70パーセント自給していたんだから。で、江戸時代は100パーセントだったんだから」

 今年、出演して頂いたゲストのお言葉を再構成して、地球人としての私たちの生き方を探ってきた今週のザ・フリントストーン、最後は、徳川宗家第18代当主の徳川恒孝さんに締めくくって頂きます。

徳川恒孝さん

徳川恒孝さん

「自然を悪者と見て、征伐してしまうという考え方が西洋の一般的だとすると、僕らは自然と一緒に生きていこうというものなので、文明自体が根本的に違うんですね。そういう意味では僕らの文明の方がずっと共生社会ですから、それを持っている僕らがそういうことをみんなに伝えていく立場なのに、自然は悪で、成敗してしまえという方に一緒になって走っているわけだから、そこを切り替えると、世界中の人が『ちょっと待て。日本のやり方を見てみようよ。あれ、なかなか素晴らしいじゃないか』というふうに言ってもらえるような国になる。せっかくそういう文明を持っているんだからなってほしいですよね。
 国と国を比較するときに、評論家の方々やみなさんは経済力と軍事力の話ばかりするんですよ。でも、もっと大事な文化力というものがあって、人が生きているスタイルであり、そこで持っている温かい人としての部分、これが文化力なんですね。ヨーロッパ人は文化力というものに非常に重きを置くんですね。で、アメリカだって少なくとも日本よりは遥かに文化力に力を入れていて、日本が今、経済力ばかり気にしているんですよ。僕もサラリーマンですから経済力が大切なのはよく分かるんですよ。経済力がないっていうのは今、ミゼラブルですからね。それはよく分かるんだけど、大事にするけれど、それにプラスして文化力ということをもっと考えていかなきゃいけないと思いますね」

AMY'S MONOLOGUE〜エイミーのひと言〜

 今年、2007年を表わす一文字として「偽」という文字が選ばれましたが、フリントストーン的には今後を表わす一文字として「行動」の「動」という字を選びたいと思います。環境問題を人任せにしておけないことはもう誰もがわかっていること。でも、果たして実際に行動している人はどれくらいいるのでしょうか? また、同じ「ぎ」という文字なら「偽る」ではなく、「疑問」の「疑」であってほしい。なぜ冬なのに室内では薄着でいられるのか・・・。なぜ自然豊かなはずの日本でペットボトルの水を買わなければならないのか・・・。なぜシロクマや多くの動植物は絶滅の道を進まなければならないのか・・・。いろんな事に疑問を持ち、解決するための行動を起こさなければ、私たち人間の未来は更に苛酷なものになってしまうのではないでしょうか。人間一人の力では難しいことでも、みんなが少しずつできることをやれば、チリも積もればマウンテン(笑)。今、これを読んで下さっているあなたの部屋の温度は何度ですか? 1〜2度下げて、セーターを1枚着るだけで、違いはあるはずです。
 最後に、2008年が皆さんにとって、また母なる地球に暮らす全ての仲間たちにとっても良い年になりますように・・・。

■今回ご登場いただいたゲストの方のこのほかのインタビューもご覧ください。
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■写真家・藤原幸一さん

公式ホームページ「NATURE'S PLANET MUSEUM」
 ガラパゴスやオーストラリア、南極などで撮った野生動物や風景の素晴らしい写真が掲載されている他、藤原さんが長期環境プロジェクトとして進めている「ガラパゴスの森の再生」と「南極のゴミの持ち帰り運動」の詳細も掲載。
HP:http://www.natures-planet.com/

『南極がこわれる』
『ガラパゴスがこわれる』

南極がこわれる
ポプラ社/定価1,680円
 地球環境に視点を置いた写真家として精力的に取材を続けている藤原幸一さんが、ペンギンが置かれている危機的な状況を伝えた写真集として注目されているこの作品は、本当にこれがすべて南極で撮られた写真なのか! と目を疑いたくなるような写真と共に「藤原」さんの文章を読んでいると、温暖化問題の深刻さを本当に実感させられてしまう、そんな作品。皆さんもこの写真集をお手元において、定期的に観ながら普段の生活を見直すリマインダーにしてはいかがでしょうか。
 

最新刊『ガラパゴスがこわれる
ポプラ社/定価1,680円
 <進化>を育んだ島、赤道直下のガラパゴス諸島の海、森、生きものたちが、わたしたち人間の手によって、危機に直面させられています。『南極がこわれる』に続けて問う、環境問題解決のための心からのメッセージです。
 

■自然写真家・倉沢栄一さん

特定非営利活動法人「OWS」
 倉沢栄一さんが理事を務める海の自然環境について考える団体。倉沢さんは同団体が主催するトークイベントなどにも出演しています。
 尚、「OWS」では写真展やセミナー、体験プログラムなども開催しているので、ぜひホームページをご覧下さい。
海の環境NPO OWSのHPhttp://www.ows-npo.org/

『二十歳になったジュゴンのセレナ』

二十歳になったジュゴンのセレナ
徳間書店/定価1,890円
 生後およそ6ヶ月で保護され、鳥羽水族館で暮らし始めて今年で20年になるジュゴンのセレナをモデルに、愛くるしいジュゴンのことをわかりやすく紹介したとてもかわいい写真集。
 

■佐々木香織さんが所属するネイチャーゲーム研究所情報

 自然体験プログラム、ネイチャーゲームについて詳しく知りたい方はぜひ、社団法人日本ネイチャーゲーム協会のホームページをご覧下さい。
・日本ネイチャーゲーム協会HPhttp://www.naturegame.or.jp/

ジョン・ミューア〜自然と共に歩いた人生

ジョセフ・コーネルさん著
ジョン・ミューア〜自然と共に歩いた人生

ネイチャーゲーム研究所/定価1,680円
 自然保護の父、国立公園の父と呼ばれるジョン・ミューアの研究で知られる作家/バックパッカーの加藤則芳さん監修のもと、ネイチャーゲーム研究所の佐々木香織さんが編集し、日本語に翻訳された、ネイチャーゲームの創始者、ジョセフ・コーネルさんの本。引用されているジョン・ミューアの文章の美しさだけではなく、彼の観察眼の素晴らしさ、自然や生きものに対する深い愛情を感じられる内容。ミューアを知るための入門書としてはもちろん、自然との接し方や繋がり方を学べる1冊。
 

■海洋ジャーナリスト・内田正洋さんが尽力した
 ホクレア号航海プロジェクト情報

 今回の内田さんのコメントを読んで、さらにホクレア号航海プロジェクトについて詳しく知りたくなった方は、下記サイトをご覧ください。
・ポリネシア航海協会(英語のサイト):http://pvs.kcc.hawaii.edu/welcome.html
・ホクレア号航海ブログhttp://hokulea.aloha-street.com/
・ハワイ州観光局ホクレア号航海プロジェクト・ニュース
  http://www.gohawaii.jp/hokulea2007/index.html
・「ハワイ州観光局」公式ホームページhttp://www.gohawaii.jp/

『祝星「ホクレア」号がやって来た。』

内田正洋さん著『祝星「ホクレア」号がやって来た。
エイ出版社/定価788円
 2007年、星や風、波などの海の自然のサインだけを頼りに航海するスター・ナビゲーションで、ハワイから日本までの航海を成功させたホクレア号は、1975年に復元された古代ポリネシアの外洋航海カヌー。そんなホクレア号やその背景、そしてホクレア号が日本にやって来た理由や意味などが綴られている内田正洋さん渾身の一冊!
 

■龍村仁監督情報

ドキュメンタリー映画『地球交響曲/ガイアシンフォニー』
 龍村監督のドキュメンタリー映画『地球交響曲/ガイアシンフォニー』はこれまでに5作品製作され、自主上映という形式ながら全国で210万人以上の方がご覧になっている息の長い大ヒット・シリーズ。最新作「第六番」の上映スケジュールや、出演者の方の講演情報なども掲載されています。
HPhttp://gaiasymphony.com/

■冒険ライダー・風間深志さんが大村長を務める地球元気村情報

 地球元気村では、随時、村民を募集! 村民になると、会報誌が年4回送られてくる他、参加料の割引などの特典あり。まだ村民になられていない方は、ぜひこの機会に登録し、地球元気村のキャンプ・イベントにご参加下さい。
登録料:個人村民1,000円、家族村民(6人まで)2,000円

 また、地球元気村では、オリジナル・グッズとして、トートバッグやTシャツ、帽子なども販売しています。
地球元気村に関する問い合わせ:地球元気村事務局
  TEL:048-649-3624
  HP:http://www.chikyu-genkimura.com/

■海洋冒険家・白石康次郎さんのホームページ

 白石さんのホームページには近況や、メディア出演情報なども載っています。また、ブログのページには、「5オーシャンズ」の激闘の模様が、写真と共に詳しくアップされているので、是非、チェックしてみてください。レース中の白石さんの心境なども綴られています。
 次のレースの情報もこまめにチェックしてみてください。
・白石康次郎さんのHPhttp://www.kojiro.jp/

■プロ・ウィンドサーファー・中里尚雄さん情報

 中里さんの活動については、中里さんの公式ホームページ、またはブログをご覧ください。また、中里さんが来春チャレンジするという黒潮海流、夢の桜海洋横断は、沖縄から桜島(鹿児島)まで、南西諸島の島々をまわりながら、立ち寄る島々で海岸のクリーン活動、桜の苗木の植樹などを行なうというもの。
 現在、この計画をサポートしてくださるスポンサーを募集中とのことです。ぜひ応援してください。
・中里尚雄さんのHPhttp://nakazatohisao.com/

『ディセンション〜自らを下げる』

ディセンション〜自らを下げる
ぶんがく社/定価1,890円
 「中里」さんの体験をもとに、感じたことや考えたことなどがまとめられているエッセイ集。エピローグを含む10章に分かれたそれぞれのエッセイはとても深くて、読む人が色々なことを考えたり、自分自身を見つめ直すきっかけにもなるような内容となっている。皆さんもぜひ読んでみてください。
 

■タレント・ルー大柴さん

ルーブログ『TOGETHER』
 ルー語で一躍、女子高生を中心にブレイクしたルーさんのブログ。著書の紹介やメディアの出演情報なども掲載されています。
http://ameblo.jp/lou-oshiba/

『MOTTAINAI〜もったいない〜』
『ルー語大変換』
『ルー大柴革命〜ルー語でトゥギャザーしようぜ!』

CD「MOTTAINAI〜もったいない〜
DOYO RECORDS/DOYON-10/定価1,000円
 「ルー大柴&仁井山」というユニットでリリースしたCD。NHKの「みんなのうた」でオンエアされ、人気を博しているこの曲で、ルーさんは今年の暮れのレッド/ホワイト(紅白)歌合戦への出場を夢見ている!
 

ルー語大変換
扶桑社/定価1,260円
 本の帯に“世界一、イージーでハッピーな噂のランゲージ”と書かれているように、中学生レベルの英語が出来れば、誰でもマスター出来る「ルー語」に変換されている童話やことわざ、名言などが盛り沢山。また、地球ホット化(温暖化)、環境ダーティ(汚染)、温室イフェクトガス(効果ガス)、産業トラッシュ(廃棄物)などといった環境問題に関わるボキャブラリーも「ルー語」で記してあるので、あなたもこの本を読んで「ルー語」で環境プロブレムを語ろう!
 

DVD『ルー大柴革命〜ルー語でトゥギャザーしようぜ!〜
ジェネオン・エンタテインメント/GNBW-1208/定価3,990円
 ご本人自らによる「ルー語変換」の奥義を解説。また、1日100人とハグする「ハグしようぜ 100連発!」ほか、特典映像として自宅の部屋を公開した「ルーさんのお部屋拝見」のコーナーなど盛りだくさん!
 

■オークヴィレッジの代表・稲本正さん

オークヴィレッジ
 木工芸家であり、作家の稲本正さんが代表を務める家具メーカー、オークヴィレッジのホームページ。稲本さんの近況や著書情報なども載っています。
HP:http://www.oakv.co.jp/

『心に木を育てよう「緑の環境立国」宣言』

稲本正さん著
心に木を育てよう 「緑の環境立国」宣言

PHP研究所/定価1,470円
 地球温暖化の危機が叫ばれる中、CO2削減のために、我々日本人に何が出来るか? 美しい空気、水、緑あふれる地球を未来に残すために出来る数々の具体策をわかりやすく提示した本。
 また、書籍に折り込まれたハガキを投函するか、ハガキに印刷されたシリアル番号をメールで知らせることで「ドングリの会」のホームページ内に作られた「心に木を育てよう」の森(バーチャルの森)に苗が植えられ、更にその苗1本につき、書籍の印税の50%が「ドングリの会」の植林活動に役立てられ、富士山にある現実の「ドングリの森」も育つという画期的なシステムを導入。地球温暖化を阻止するムーブメントを日本から発信するためにもぜひこの本をご購入下さい。
 

■徳川宗家第18代当主・徳川恒孝さん関連情報

徳川恒孝さんが2003年に設立し、理事長を務める
「財団法人・徳川記念財団」のHPhttp://www.tokugawa.ne.jp/j/index.htm

徳川さんが役員をなさっている
WWF(世界自然保護基金)ジャパンのHPhttp://www.wwf.or.jp/

徳川さんが理事をなさっている
WWFインターナショナルのHPhttp://www.panda.org/

『江戸の遺伝子〜今こそ見直されるべき日本人の知恵』

徳川恒孝さん著
江戸の遺伝子〜今こそ見直されるべき日本人の知恵

PHP研究所/定価1,575円
 江戸時代の制度や環境、文化や伝統、教育など、これまであまり語られていなかった視点で江戸という時代をわかりやすく綴っている他、同時期、欧米ではどんなことが起きていたのかなど、世界における江戸時代の江戸の状況が記されている。本の副題にもあるように、“今こそ見直されるべき日本人の知恵”について考えさせられる1冊。
 

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 今回のオンエア・ソングは、今年ゲスト出演していただいた方々の曲をセレクトしてオンエアしました。それぞれ収録されているアルバムのamazon.co.jpの詳細ページにリンクしていますので、チェックしてみてくださいね。

オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」




ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

油井昌由樹ライフスタイル・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」




エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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