木の特性と用途

1999.10.23放送

 皆さんは「ログハウス」に用いられるのはどんな木なのか、ご存じですか?
 木そのものが建物の壁になる「ログハウス」の場合、特に、狂いが少なく、構造的にも強度が高い木材が最も望ましいわけなんですが、そんな条件を備えた、「ログハウス」によく使われる代表的な木材は、国産もので「スギ」「ヒノキ」「ヒバ」の3種類。
 最もポピュラ-な「スギ」は、木目が通り、光沢がある上、湿気にも比較的強いのが特徴。
 「ヒノキ」は耐水性に優れ、耐久性も高い木材。また、「ヒノキチオ-ル」という抗菌性の高い成分がある「ヒバ」も、耐久性が高く、湿気にも強い木材だという事です。
 一方、輸入ものでは「米マツ」と呼ばれる「ダグラスファ-」、「ネズコ」という木の仲間なのに、一般的に「米スギ」といわれている「ウェスタン・レッドシダ-」、トウヒの仲間「スプル-ス」、そして「欧州アカマツ」とも呼ばれる「フィンランド・パイン」の4種類。
 これらの木材はそれぞれの特徴はありますが、おおむね、強度があり、腐りにくく、加工しやすいなどの性質を持っています。
 さて、今ご紹介した7つの木材は、すべて針葉樹。では、なぜ針葉樹が住宅用の建材に多用されるのか。
 実は、針葉樹の細胞組織は、整然と並んだシンプルなもので、広葉樹にある、根から水分や養分を運ぶ“大きなクダ”のような細胞が針葉樹にはない事もあって、比較的、狂いが少ないからなんだそうです。
 そんな事もあり、例えば、強度がある「スギ」は昔から建築用の材として重宝がられ、特に、柱に使われる事が多く、頑強な「マツ」は木造建築で「はり」などに。また、昔は神社や仏閣用の材だった「ヒノキ」は、水に強い事からお風呂に。そして、加工しやすい「スプル-ス」は現在、戸や窓わく、床や天井などの内装材に多く使われているんだとか。
 ログハウスを含めた木造建築は、針葉樹の強さに守られた、優れた建物というわけですね。

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