2006年12月3日<電話インタビュー>

南極越冬隊に参加する永島祥子さん

 今年は南極観測50周年の節目の年ということで、夏には『ふしぎ大陸・南極展2006』という記念展示会も開催され、この番組でも取材レポートをお届けしましたが、そんな今年も南極観測隊が結成され、隊員56名が11月28日に成田空港から出発。12月3日にオーストラリアのフリーマントルで、先に日本を出た南極観測船「しらせ」に乗り込み、昭和基地に向かいました。
 そんな第48次南極観測隊に、過去最多の7人の女性が参加して話題になっていますが、その7人の中にアウトドア・ウエア&グッズのメーカー「モンベル」の元社員の方が、越冬隊員として参加しています。現在は、国立極地研究所の職員になられている「永島祥子」さんは、実は6年前にも越冬隊に参加されているんですが、今回、出発前にそんな「永島」さんに電話でお話をうかがうことができました。

●永島さんが越冬隊に参加されるのは今回で2回目ということで、過酷さや楽しみ方っていうのが分かっていらっしゃると思うんですけど、一番大変なことって何ですか?

「やっぱり自然が厳しいことですかね。天気がいいときはいいんですけど、いつ悪くなってもおかしくないし、常に気温がマイナスっていう世界ですから、例えば日本でお酒で酔っ払って道路で寝ていても命の危険は感じないですけど、南極でそれをやってしまうと危ないことになりますよね(笑)。常にそういう環境の中で生活をしているので、行っている間中どこか気が張っている感じですね」

●永島さんは去年、結婚されたばかりで新婚さんだそうですが、その奥さんがいきなり1年以上も南極に行ってしまうっていうのはどうなんですか?(笑)

「(笑)。ちょうど(越冬隊の)話が来たときに家にいなかったので、出先から主人に電話で相談をしたんですね。そしたら、しばらく沈黙が続きまして(笑)、何を言っていいのやらお互いに分からない感じでしたね。でも、沈黙を交えながら話し合って、何とか理解してもらったっていう感じですね」

●だって、ラブラブの新婚さんの旦那さんを置いてけぼりにしてまで行きたい南極な訳ですから(笑)、永島さんにとっての魅力というのを教えてください。

「とにかく美しい場所なんですね。言葉で言うのも難しいんですけど、自然の偉大さに触れて、自分がすごくちっぽけな存在に感じる場所なんですね。で、想像すると白い雪とたまに土地があって、あとは空があるくらいかなぁって思うんですけど、大陸の白さの中にもすごいグラデーションがあって、紫色に見えるときもあればグレーのときもあるし、真っ白なときもあるっていう感じで、すごく感覚が鋭くなるんですよね」

●白一色っていうイメージが強いですもんね。実際は違うんですね。

「そうなんですよ。私も『そんなもんだろう』と思って行ってみたら全然違ったので、すごく驚きましたね。空の色も赤いっていっても、赤の中にもこんなに種類があるんだなとか、なんて彩りの豊かな場所なんだろうって感じたんですよね」

●南極に行かれてからの永島さんの役割はどういったものなんですか?

「地圏という部門を担当することになっていて、簡単に説明すると、地球の中の構造とか地殻変動を調べたりするような観測なんですけど、地震の観測とか重力の観測とかGPSの観測なんかをやります」

●前回は学生のときに参加したそうですが、役割的にはどんなものだったんですか?

「前回も同じでした。同じことをやったので、観測項目はほとんど変わっていないんですね」

●でも、6年前ということは、それからどれだけの変化があったかというのも、永島さん自身が分かるいい機会ですね。

「そうですね。継続的に毎年取っているデータなので、それを繋いでしっかり見ていくと、何かが分かるかも知れないっていう感じです」

●大変そうだけど、楽しそうですね。

「地道な作業だと思います」

●日本に戻ってこられるのが2008年の3月末ということで、戻られたら是非スタジオでじっくりと南極話を聞かせていただければ嬉しく思います。その時はよろしくお願いいたします。では、気をつけて行ってきてくださいね。

「ありがとうございます」

 第48次南極観測隊越冬隊に参加している国立極地研究所の職員「永島祥子」さんは、12月20日前後に南極に到着し、帰国は2008年3月末の予定だということですが、「永島」さんには南極からも電話で近況をうかがえればと思っています。

無事帰国された永島祥子さんのインタビュー(2008年7月27日放送)もご覧ください。

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